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SGLT2阻害薬について〜糖尿病治療薬紹介〜

[2021.04.01]

SGLT2阻害薬とは2014年から新しく使われるようになったお薬です。当院ではフォシーガ、ジャディアンス、カナリア(テネリア、カナグルの合剤)を採用しています。

特徴

尿に糖を排泄し、血糖値を下げるお薬で、服用後に体重減少、むくみが取れやすいといった効果が期待されます。基本的にSGLT2阻害薬単剤では低血糖を起こしにくいです。また最近このお薬は合併症予防の効果(心血管イベント二次予防効果、腎臓病、心不全のリスク低下など)が報告されたり、糖尿病がなくても心不全の治療として適応が拡大されているなど非常に脚光を浴びているお薬になります。

お薬の作用について

本来、血液中のブドウ糖は体に大切なものなので腎臓から尿に排泄されず、腎臓の尿細管というところで再吸収されて、体に戻されます。よって、糖尿病のない健常な人は尿糖は出てきません。このウ糖の取り込みで大きな役割を果たしているのがSGLT2というたんぱく質になります。このお薬はSGLT2の働きを阻害し、尿細管でブドウ糖が体に戻されず、尿に排泄させます。その結果、血糖値が下がり、糖とともに水分も排泄されるため尿量が増えます。

このお薬以外の糖尿病薬はインスリン分泌、作用を介して血糖を下げる効果がありますが、このお薬はインスリン作用とは別の作用で血糖値を下げるので、膵保護作用もあり、他剤との併用もしやすいです。

図で示すとこんな感じです。

注意点

●尿路、性器感染症

尿に糖を排泄するため、陰部に糖がついたままになると感染症を起こしやすくなります。膀胱炎、尿道・膣感染症などが起こる可能性があります。

●脱水症状

体内の水分が少なくなることにより、脱水症状をきたすことがあります。適度な水分補給が大切になります。特に高齢者は症状がわかりにくいので注意が必要です。

●シックデイ、高齢者での対応

食事が食べれないほどの体調不良時では内服を中止する必要があります。また高齢者ではカロリーが減る方向に作用するお薬なので、筋力低下や栄養状態に注意が必要です。

 

まとめるとsglt2 阻害薬は血糖効果作用以外にも体重減少が期待され、合併症予防の報告もありますが、副作用など注意点を理解する必要があります。

 

お糖さん 高瀬真吾

糖尿病専門医、内分泌専門医

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