糖尿病患者さんの免疫力低下について
糖尿病患者さんはよく免疫が落ちてる、感染症にかかりやすいなどと言われています。特に最近では糖尿病患者さんは新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすいと注意喚起されています。
では何故糖尿病患者は免疫力が落ちるのでしょうか?またどのようなことに気をつければいいのでしょうか?
そもそも免疫とはウイルスなど病原体が体内に侵入したときに、それらに抵抗して体を守る仕組み、能力のことを指します。
免疫機能についてはとても複雑なので、詳しい説明は割愛させてもらいますが、糖尿病患者さんの免疫力が低下する原因を大雑把にいうと2つあります。
一つ目は高血糖による免疫力の低下です。血糖値が高いと病原体を殺そうとする白血球の働きが悪くなるということと、獲得免疫といわれる病原体に対する抗体の産生能力が落ちることが大きな影響を与えています。
二つ目は糖尿病による合併症に関するものです。例えば動脈硬化が進行すると、末梢組織に血流が十分に行き渡らなくなり、傷が治りにくくなります。また糖尿病腎症にかかった場合は、腎機能障害そのものが免疫を低下させます。
実際、糖尿病患者さんが感染症に罹患するリスクは糖尿病がない患者さんに比べて感染症全体で約1.2倍、特に皮膚、軟部組織感染症は約1.7倍、結核の発症リスクは約3倍上昇すると報告されています。
上記のように糖尿病患者さんは感染症にかかりやすい、重症化しやすいと言われますが、普段から血糖コントロールを良好な状態に保てていれば、これらのリスクは大幅に軽減できます。さらに糖尿病患者さんが特に気をつけたい感染症について正しい知識をつけ、普段から感染予防、重症化予防をすることは非常に大切なことです。
お糖さん 高瀬真吾
糖尿病専門医、内分泌専門医
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